RADICA 株式会社ラジカルの月刊WEBマガジン

月刊ウチウミ 「修理いろいろ。修理難民もいろいろ。」

RADICAL WEBマガジン月刊ウチウミ2023年1月号 「修理いろいろ。修理難民もいろいろ。」

前々から感じていたけど、面倒臭い修理をやるショップが確実に減って、いわゆる修理難民が増えている……去年はさらにそれを実感した一年でした。
フレーム修正だと、ZみたいなオーソドックスなものはOKで、ニンジャみたいなアンダーフレームがないものはNG。なんで?……とか(笑)。
ウチは飛び込みの一見さんも多かった。
「いろいろ当たってみたけど断られて困っている」という方とか。
中には、確かにこれは難しそう。どこに持っていっても受けてもらえないかも。みたいなケースもあった。
でもお客さんの身になると……何件も回って断られ続けた挙げ句ながれ着いたウチで、また同じ答えしか出なかったら?……って思っちゃうんですよ。
やってみましょう。
なんとかなる。
というかなんとかしてあげたくなる。
預かってからは数日、車体によっては1ヶ月近く、毎日眺めながら進め方を練ります。
よく見て、想像を膨らませて、効率良く正確なプロセスを考える。
そうだ! こうすればいい!
ひらめいたら一気に身体を動かしていく。
結果、凄く喜んでもらえると晴れ晴れとした気持ちになる。
この仕事はRADICALだけでも30年近く続けている。
それでも今まで経験のない作業に直面することがあってね。
断ってしまえば終わりだけど、そういう時こそ「なんとかやってみよう!」と自分を鼓舞してる。
未知の領域に踏み込めば、少しずつ自分の中のデータとスキルが積み上がっていくし、どんなことでもチャレンジする気持ちが進歩につながると思う。
オートバイも物だから、時が経てば腐食するし劣化する。
それを大事にするのか買い替えるのか。
貴重なバイク。「なんとしてでも直したい」という気持ちがあるならば、応えますよ。
まあ病院みたいなもんじゃないかな。
病気になった人が諦めているのか、まだ生きたいのかで医者も対応が違ってくるでしょう。
とりあえず薬だけ出すのか、一緒に頑張ろうって寄り添うのか。
ただし、本当にその人にとって得じゃない場合は理由を説明してお断りすることもあります。
錆びて穴が空いたフレームを針金で支えてるスクーター。乗るのも怖い(笑)。
見えない部分もダメになっている可能性が大。
燃料タンクもサビサビで穴が空きそうだけど純正部品がない。
もちろん、やれなくはない。
でも「10万円かけて修正しても、結果ダメになったらもったいないでしょ? だったらそのお金は次のオートバイを買う予算に回したほうがあなたにとって賢明だと思います」ってお断りしました。
オートバイに対してどういう気持ちを持っているのか。
この仕事は乗っている人との、そしてその人の気持ちとのふれ合いだから面白い。
ウチは車種を特定していないからいろんなオートバイといろんな人との出会いがあって。
中にはブラックリストの人もいるけどね(笑)。

【2023 January】

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